ラミーの万年筆「LAMY2000」は、そのルックスの良さと使いやすさから、万年筆愛好家に人気です。
万年筆好きなら持っている定番の1本といっても過言ではないぐらい、メジャーな高級万年筆です。
もちろん、万年筆好きの私も持ってます。
LAMY2000は、海外製の万年筆では珍しいEF(極細)のペン先をラインナップしているんですよね。
EF(極細)のペン先なら、手帳に小さな漢字を書いても字つぶれしないので、日本語向け、日本人向けの万年筆と言えます。
もしかすると、海外製ブランドの万年筆はEF(細字)のペン先を販売していない場合が多いので、海外ブランドの万年筆は使わないと決めている人もいるかも知れません。
でも、LAMY2000万年筆(EF)なら大丈夫。すごく細い線が書けます。
本記事で、実際どれぐらい細い線が書けるのか?また、どんな書き味なのかレビューしましていますので、LAMY2000万年筆に興味がある人はぜひ参考にしてみてください。
目次
LAMY2000 万年筆 EF のデザイン
LAMY2000万年筆(EF)は、ボディからペン先までシームレスな流線型をしています。
ボディに凹凸がないので、長時間書いていても指に無駄なストレスがかかりません。
持ちやすく、書きやすく、疲れにくい万年筆といえます。これはもう、デザインの良さが為せる技。
さすがバウハウスの思想*1を受け継いだドイツのデザイナー(ゲルト・アルフレッド・ミュラー)が設計しただけあります。
LAMY2000シリーズが作られたのって約40年前ですからね…。
それを踏まえると、40年経った現在でさえ他の万年筆と比較しても見劣りしないばかりか、頭一つ飛び抜けて優れたデザインのLAMY2000がどれだけ素晴らしいものかよくわかります。
時の試練を超え、今なお古びることなく、むしろカッコよさを維持したまま使い続けられる万年筆が、LAMY2000の他にあるでしょうか?私には…ちょっと思いつきませんね。
おそらく、いまから40年後の世界でもLAMY2000の魅力が劣化することはないように思います。
*1:合理主義・機能主義的考えを重視した思想。
参考:バウハウス - Wikipedia
LAMY2000のペン先の形状は独特なので、はじめて見る人は…
「え?これ万年筆なの?」
と疑ってしまうかもしれませんが、万年筆です。
上動画を見て分かる通り、分解すると、一般的な万年筆のペン先と同じ形のニブがボディに挟まっているのがわかります。
ちなみに、LAMY2000はペン先の形状だけでなく、ボディも独特です。
インクコンバーターとボディが一体化しています。
ペン先の後ろ側に、インクを吸引する穴があり、ココからインクを吸い込みます。
インクを吸引する方法は簡単です。
ボディのお尻の方にうっすら横にラインがあるのが見えるでしょうか?
実はこの部分が、インクコンバーターでいうところのネジ部分になります。
ここをキュルキュル回してやると…
こんな感じでネジ部分が現れてきます。
インクボトルにペン先を浸して、このボディのお尻のネジ部分をわましてやれば、ペン先の穴からボディ内部にインクが吸引されます。
ですので、LAMY2000にインクコンバーターは不要です。
一切無駄がないデザインになってます。
ボディに吸い上げられたインクは、ペン先の透明なスリット部分から確認できます。
ですので、インク残量がなくなってきたときはすぐわかります。
私がLAMY2000万年筆を愛用しているのは、デザインがカッコいいという理由以外にもう一つあります。
キャップがネジ式ではなく嵌合式(かんごうしき)なんですよね。
ネジ式だと、アイデアを思いついた瞬間から紙に書き出すまでの間に時間がかかります。ネジを回してキャップを開けなければなりませんので。
しかし、嵌合式の万年筆の場合は、キュポッと一瞬でキャップが取れますので、アイデアを思いついた瞬間にすぐ紙に書き出せます。アイデアを忘れてしまう心配がありません。素晴らしい!
キャップを取り外す時間なんて、ほんの数秒〜十数秒のことではありますが、積み重なると大きなストレスになります。
1日に何回文字を書きますか?
1週間では?
1ヶ月では?
1年間で考えると、数百回ぐらいキャップを開け締めしているのではないでしょうか?そのたびキュルキュルとねじを回してキャップを開けている自分を想像してみてください。
無駄でしょ?
LAMY2000万年筆ならそのストレスゼロです。
おそらく(というか絶対)、LAMY2000万年筆を設計するときに、キャップの開け締めの時間は"無駄"だと考えられていたはずです。バウハウスのデザイン思想から考えると、この無駄を考慮しないはずはありません。
ですので、あえてネジ式ではなく、嵌合式のキャップにしたのだと思います。
キャップの形状はこんな感じ。シンプルです。
マットブラックのボディと合わせた光沢の少ないクリップがついています。統一感があっていいですね。
クリップには、さり気なくLAMYのロゴが刻印されています。
本記事のLAMY2000万年筆(EF)の写真を見てうすうす気づいている方もいらっしゃるかもしれませんが、LAMY2000のボディの素材、木っぽいでしょ?
一般的な高級万年筆のように、テカテカした反射率の高い素材ではないんです。
LAMY2000万年筆のボディ素材は、強化樹脂(マクロロン)に細かな堀を入れて木っぽく加工したものが使われているんですよね。
ですので、木より丈夫で長持ちで、かつ木のような温かみのある手触りになっています。
手触り感もデザインの一つとして丁寧に作られているというわけです。
このボディ素材、不思議なことに、木と同じ様に使えば使うほど味が出てくるんですよね。まるでビンテージジーンズのように。
なので、使えば使うほどその人オリジナルのLAMY2000になっていきます。
キャップを締めた姿も、シームレスで美しい…
クセがなくて使いやすい高級万年筆です。
まさに初心者におすすめの万年筆といえます。
LAMY2000 万年筆 EF の書き味
LAMY2000万年筆(EF)の試し書きです。(字が踊ってるな…)
EFニブ(極細)なので、かなり細い線が書けます。
筆記時のカリカリ感は高めです。ボディを伝って、ペン先と紙の摩擦を指先に感じます。
筆圧を高めると、やや太い線も書けますが、ほとんどペン先がしならないので、線の強弱はつけにくいです。
逆に言うと、ペン先がしならないので、高速筆記しても安定して字が書けます。
ペン先のしなりに応じて手首をコントロールする必要がないので、長時間書いていても疲れにくいです。ちなみに…
「LAMY2000万年筆(EF)とLAMY safari(EF)では、どちらの方が細い線が書けるの?」
という疑問に関してですが、LAMY2000万年筆(EF)の方が細い線が書けます。
おそらく、LAMY safariのニブはステンレス製なのに対して、LAMY2000万年筆(EF)のペン先は14金製なのが影響していると思います。
LAMY2000 万年筆 EF のペン先のやわらかさ
上記でも書きましたが、LAMY2000万年筆(EF)のペン先はほぼしなりません。
あえて「ググッ」と筆圧を高めて書けば、太めの線は書けますが、普通に書いていて良い感じに線に強弱が出るということはありません。
線の強弱を楽しみたいのであれば、エラボーやフォルカンどの万年筆のほうが向いています。
LAMY2000 万年筆 EF の価格(コスパ)
LAMY2000万年筆(EF)は、定価3万円(税別)なのですが、Amazonなら約半額で買えます。
為替や在庫によって価格は変わるので一概には言えませんが、1万6000円〜1万8000円前後で買えることが多いです。私はそれぐらいで購入しました。
2万円以下で買えて、10年近く使っていても全然へたらず未だ現役で使えるわけですから、LAMY2000万年筆(EF)は非常にコスパがいい万年筆と言えます。
LAMY2000万年筆は高級万年筆なのにそんなに高くないので、初めて高級万年筆を買うという人はLAMY2000を購入してみるのもいいと思います。
買ってから「失敗した…」と後悔する確率は、他の高級万年筆を買う場合に比べて少ないはずです。
クセがなく、それでいて個性的。ここまで非の打ち所のない万年筆はめずらしいです。
まとめ:LAMY2000 万年筆 EF はこんな人におすすめ
- 初めて高級万年筆を買う人
- 手帳用の万年筆を探している人
- 作家(たとえば字をたくさん書く小説家など)
こんな方にLAMY2000の万年筆はおすすめです。
まぁ、私のようにLAMY2000の万年筆 EF(極細)・F(細字)・M(太字)まで買っちゃうのはやり過ぎかなとは思いますが、万年筆好きなら1本もっておいて損はないと思います。
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